産婦人科 プール問題
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# プール問題 正しいのはどれか。2 つ選べ。 ({2024-22, 2021-21}) a 乳房発育の成人型は、Tanner 分類では第 1 期である。 b 神経性無食欲症は希発月経の原因の一つである。 c 希発月経はすべて排卵がある。 d 多嚢胞性卵巣症候群の診断基準に希発月経のような月経異常が含まれる。 e 体重減少性無月経に対する治療の第一選択はホルモン剤投与である。 解答: b,d a :Tanner分類では第Ⅴ期であるため誤答である。 c :希発月経はすべて排卵性とは限らない。無排卵のこともあるため、誤答である。 e :体重減少性無月経の場合、治療はまず、体重回復と促すため、誤答である。 【AI追記】 Tanner分類は思春期の体の変化(二次性徴)を5段階で評価するもので、最も発達した成人型は第V期です。また、月経周期が39日以上と長くなる「希発月経」は、排卵が遅れているだけのこともあれば、排卵自体が起きていないこともあります。体重が減りすぎて月経が止まった場合は、ホルモンの材料となる栄養が足りていない状態なので、薬より先に体重を戻すことが基本原理となります。 b: 神経性無食欲症(拒食症)では極端な体重減少により脳からのホルモン分泌が抑えられ、月経が乱れて希発月経や無月経をきたすため、正しい。 d: PCOSの診断基準には「月経異常(希発月経・無月経)」が必須項目として含まれているため、正しい。 子宮頸癌の治療法の組み合わせで正しいのはどれか。2 つ選べ。 ({2024-30, 2021-30}) a 子宮頸癌 stageIA ― MPA 療法 b 子宮頸癌 stageIIIB 期 ― 広汎子宮全摘術 c 子宮頸部高度異形成 ― 広汎子宮頸部摘出術 d 子宮頸癌 stageIB 期 ― 広汎子宮全摘術 e 子宮頸癌 stageIV 期 ― 化学療法 解答: d,e 疾患:子宮頸癌 出題の意図:子宮頸癌の治療に対する知識を問う。 正答・誤答の理由: a ×:内膜増殖症の治療法のため、誤答である。 b ×:ⅢBは、基本は化学療法を行うので、誤答である。 c ×:異形成は円錐切除か単純子宮全摘術のため、誤答である。 d ○:ⅠBは、この術式なので、正答である。 e ○:Ⅳ期は、化学療法なので正答である。 【AI追記】 癌の治療は進行度(ステージ)によって決まります。子宮頸癌の場合、ごく初期(異形成やIA期)は子宮の入り口だけを削る「円錐切除」などを、少し進んだIB期〜II期では子宮と周囲の組織を広く切り取る「広汎子宮全摘術」を行います。さらに進行して周囲に広がったIIIB期やIV期では、手術で取り切るのが難しいため、抗がん剤(化学療法)や放射線治療がメインになります。 日本人女性が一生涯に卵巣癌になる確率はどれか。1 つ選べ。 ({2024-33, 2022-33}) a 50% b 20% c 10% d 1% e 0.1% 解答: d a × b × c × d ○:70人にひとりが卵巣癌になるとされている。 e × 【AI追記】 卵巣癌に一生のうちにかかる確率(生涯罹患率)は約1%(70〜80人に1人)です。ちなみに、同じ女性特有の癌である乳癌は「約10%(9人に1人)」とずっと多く、数字のスケール感を対比して覚えておくと理解しやすいです。 a・b: 50%や20%は実際の罹患率よりはるかに高すぎる数字なので誤り。 c: 10%は卵巣癌ではなく「乳癌」の生涯罹患率に近い数字なので誤り。 e: 0.1%(1000人に1人)は実際より低すぎる数字なので誤り。 胎児染色体診断のための確定的検査法はどれか。2 つ選べ。 ({2023-11, 2021-8}) a 超音波検査 b 絨毛検査 c 羊水検査 d 母体血清マーカー検査 e 無侵襲的出生前遺伝学的検査 解答: b,c a :超音波検査では、11-13週でNT(nuchal translucency)を測定する。母体の採血によるPAPP-AやhCGの測定を組み合わせたコンバインド検査がある。感度83%程度であり、非確定的検査である。18トリソミー、21トリソミーを対象としている。 b :11-14週に行う確定的検査である。流死産が約1/100で発生する。 c :15週以降で行う確定的検査である。流死産が約1/300で発生する。 d :15-18週にAFP、uE3、hCG、InhibinA値などから21トリソミー、18トリソミー、神経管閉鎖障害の確率を算出する非確定的検査である。感度は、80%程度。 e :10週以降に行う非確定的検査である。感度は、99.1%である。13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーを対象としている。 【AI追記】 出生前診断には、超音波や母体の採血だけで「異常の確率」を計算する安全な「非確定的検査(NIPTなど)」と、お腹に針を刺して直接細胞を採り、白黒はっきりさせる「確定的検査」があります。確定的検査である絨毛検査や羊水検査は正確ですが、針を刺すためわずかに流産のリスク(侵襲)を伴うのが特徴です。 正しいのはどれか。1 つ選べ。 ({2023-25, 2022-21}) a 遅発月経の定義は 18 歳以上で初経発来した場合である。 b 思春期遅発症の原因の一つに双角子宮がある。 c 思春期遅発症の診断には外性器の視診も重要である。 d 体質性の思春期遅発症では最終的には低身長となる。 e Turner 症候群は子宮性無月経の原因となる。 解答: c a :遅発月経の定義は15歳以上の初経。 d :最終的な身長は正常。 e :卵巣性無月経となる。 【AI追記】 月経の異常を表す言葉として、初経が15歳になっても来ないものを「遅発月経」、18歳になっても来ないものを「原発性無月経」と呼びます。またTurner(ターナー)症候群は、染色体の異常(45,XO)によって卵巣が正常に育たない病気なので、子宮のせいではなく卵巣のせいで月経が来ない「卵巣性無月経」に分類されます。 b: 双角子宮は子宮の形の異常であり、二次性徴の発来そのものが遅れる思春期遅発症の原因とはならないため誤り。 c: 思春期遅発症の診断では、外性器を直接見て性発達の程度や外性器の異常を確認することが重要なため、正しい。 子宮体癌の診断に有用な検査はどれか。2 つ選べ。 ({2023-36, 2021-31}) a コルポスコピー検査 b 経膣超音波検査 c 子宮動脈造影検査 d MRI 検査 e HPV(ヒトパピローマウイルス)検査 解答: b,d 子宮体癌の診断に関する基本的な問題です。 a :子宮頸癌に対する検査で誤答。 b :子宮内膜の状態を把握するのに有用な検査で正答。 c :子宮体癌の診断で子宮動脈造影は用いないので誤答。 d :子宮の質的診断に有用で正答。 e :子宮頸癌で有用な検査であり誤答。 【AI追記】 子宮体癌は「子宮の奥(子宮内膜)」にできる癌です。そのため、まずはエコー(経膣超音波検査)で内膜が分厚くなっていないかを確認し、癌だとわかったらMRIで「癌が子宮の筋肉にどれくらい深く入り込んでいるか(筋層浸潤)」を調べます。一方、コルポスコピー(拡大鏡)やHPV検査は「子宮の入り口」にできる子宮頸癌の検査です。 c: 子宮動脈造影は血管の走行を見る検査で、子宮体癌の診断には用いないため誤り。 卵巣癌における遺伝性乳癌卵巣癌症候群の割合はどれか。1 つ選べ。 ({2023-37, 2021-33}) a 1% b 10% c 30% d 50% e 80% 解答: b a × 、b ○ 、c × 、d × 、e × 【AI追記】 遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)は、生まれつき「BRCA」という遺伝子に変異があるため、乳癌や卵巣癌に非常にかかりやすくなる体質のことです。卵巣癌になった患者さんのうち、約10%がこのHBOCによるものと言われています。 a: 1%は実際の割合より低すぎるため誤り。 c・d・e: 30%・50%・80%はいずれも実際の割合(約10%)より高すぎるため誤り。 子宮腺筋症で正しいのはどれか。1 つ選べ。 ({2023-41, 2022-37}) a 内膜組織が漿膜側から筋層に侵入する。 b 症状として不正出血が多い。 c 経産婦より未産婦に多い。 d 子宮筋腫との鑑別には MRI が有用である。 e 治療としてエストロゲン投与が有効である。 解答: d 子宮腺筋症について理解する。 a :粘膜側から筋層内に侵入する。 b :症状は月経痛・過多月経が多い。 c :経産婦に多いと言われているが、未産婦にも少なくない。 d : 正しい。子宮筋腫ではMRIで低信号域に、腺筋症では子宮筋層内の高信号spotを呈する。 e :エストロゲン依存性なので、治療には抗エストロゲン薬を使用する。一方、プロゲステロンは増悪抑制因子なので、合成プロゲステロン薬を治療に使用することもある。 【AI追記】 子宮腺筋症は、本来子宮の内側にあるはずの「子宮内膜」が、子宮の筋肉(筋層)の中に潜り込んで増殖してしまう病気です。内膜が分厚くなるため、激しい月経痛や出血過多を起こします。女性ホルモン(エストロゲン)の刺激で悪化する性質があるため、治療では逆にエストロゲンを抑える薬を使います。 --- # 類題 【ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸癌・尖圭コンジローマの発生に関与し、HPVワクチンは子宮頸癌・異形成を減少させる。】 ⼦宮頸癌、異形成について、正しいのはどれか。2 つ選べ。 (2023-34, 2021-29) a ⼦宮頸部⾼度異形成は妊孕性温存はできない。 b ⼦宮頸部軽度異形成は⼿術適応である。 c 9 価の HPV ワクチンは⽇本で承認されている。 d HPV ワクチンは⼦宮頸癌、異形成を減少させる。 e HPV ワクチンは任意接種である。 解答: c,d 疾患:子宮頸癌 出題の意図:子宮頸癌・異形成の治療とHPVワクチンに関する知識を問う。 正答・誤答の理由: a ×:妊孕性は温存できるため、誤答である。 b ×:手術適応ではないので、誤答である。 c ○:日本で承認されたので、正答である。 d ○:子宮頸癌、異形成は減少するので、正答である。 e ×:HPVワクチンは定期接種のため、誤答である。 【AI追記】 HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸癌の原因になるウイルスです。細胞の異常が「軽度異形成」の段階なら自然に治ることも多いですが、「高度異形成」に進むと癌になる一歩手前なので、子宮の入り口だけを削る「円錐切除術」を行います。子宮自体は残せるので、将来の妊娠(妊孕性)は保たれます。現在HPVワクチンは定期接種となっています。 ヒトパピローマウイルスが関与する疾患はどれか。 2 つ選べ。 (2024-29) a 卵巣癌 b 子宮頸癌 c 子宮内膜癌 d 外陰部 Paget 病 e 尖圭コンジローマ 解答: b,e 疾患:子宮頸癌 出題の意図:ヒトパピローマウイルスに対する知識を問う。 正答・誤答の理由: a ×:関与しないので、誤答である。 b ○:関与しているので、正答である。 c ×:関与しないので、誤答である。 d ×:関与しないので、誤答である。 e ○:HPV6型、11型が関与しているので、正答である。 【AI追記】 HPV(ヒトパピローマウイルス)は主に性交渉で感染するウイルスです。高リスク型のHPVは「子宮頸癌」の原因になり、低リスク型(6型、11型など)は外陰部にイボができる「尖圭コンジローマ」の原因になります。子宮の奥にできる子宮内膜癌や、卵巣癌には関係しません。 ヒトパピローマウイルスが関与する疾患はどれか。2 つ選べ。 (2023-33) a 卵巣癌 b ⼦宮頸癌 c ⼦宮内膜症 d 外陰部 Paget 病 e 尖圭コンジローマ 解答: b,e 疾患:子宮頸癌 出題の意図:ヒトパピローマウイルスに対する知識を問う。 正答・誤答の理由: a ×:関与しないので、誤答である。 b ○:関与しているので、正答である。 c ×:関与しないので、誤答である。 d ×:関与しないので、誤答である。 e ○:HPV6型、11型が関与しているので、正答である。 【AI追記】 HPVは、子宮の入り口(頸部)や外陰部といった皮膚や粘膜の表面に感染して病気を起こします。高リスク型が「子宮頸癌」、低リスク型が「尖圭コンジローマ(イボ)」を引き起こす基本原理を覚えておきましょう。子宮内膜症はそもそもウイルス感染ではなく内膜組織が子宮外で増殖する病気なので、HPVとは無関係です。 子宮頸がんについて、誤っているのはどれか。一つ選べ。 (2022-29) a 年間 200 人が死亡している。 b 30 歳未満の罹患率は増加している。 c HPV ワクチンは死亡率を減少させる。 d 発生に HPV16 型、18 型が関与している。 e 子宮頸部細胞診の検診は、死亡率を低減させる。 解答: a 疾患:子宮頸癌 出題の意図:子宮頸癌に対する知識を問う。 正答・誤答の理由: a ○:年間死亡数約2700人なので、誤りである。 b ×:30歳未満の罹患率は増加しているので、正しい。 c ×:HPVワクチンは死亡率を低減させるので、正しい。 d ×:HPV16型、18型が関与しているので、正しい。 e ×:検診は、死亡率を低減させるので正しい。 【AI追記】 子宮頸癌は、HPV16型・18型などの高リスクウイルスが原因で起こり、近年は20〜30代の若い女性でも増えているのが特徴です。日本では毎年約3000人弱が亡くなっていますが、HPVワクチンによる「予防」と、細胞診による「早期発見」の両輪で死亡率を下げることができます。 --- 【子宮体癌では肥満・糖尿病・少妊少産・リンチ症候群がリスクであり、類内膜癌が多く本邦で増加傾向にあり、筋層浸潤評価にはMRIが適する。】 子宮体癌について、誤っているのはどれか。2 つ選べ。 (2023-35, 2022-32) a 糖尿病は子宮体癌のリスク因子である。 b 子宮内膜異型増殖症は経過観察でよい。 c 子宮体部筋層浸潤の評価には MRI よりも CT が適している。 d タイプⅡ子宮体癌は予後不良である。 e リンチ症候群は子宮体癌のリスク因子である。 解答: b,c 子宮体がんの一般的な知識を問う問題です。 a :正しい。 b :治療介入が必要。 c :MRIが適している。 d :正しい。 e :正しい。 【AI追記】 子宮体癌(タイプI)は、女性ホルモン(エストロゲン)の過剰な刺激が主な原因です。肥満や糖尿病は体内でエストロゲンを増やすためリスクになります。また、癌が子宮の筋肉にどれくらい深く潜り込んでいるか(筋層浸潤)をみるには、組織のコントラストがはっきり分かるMRIが最も適しています。 a: 糖尿病は肥満と並ぶ代表的なリスク因子なので、この記述は正しく、誤答ではない。 b: 子宮内膜異型増殖症は癌に進む可能性が高い前癌病変であり、経過観察ではなく治療介入が必要なため誤り。 d: タイプⅡ(漿液性癌など)はエストロゲンと無関係に高齢者に発生し予後が悪いため、この記述は正しい。 e: リンチ症候群(遺伝性の癌体質)は子宮体癌のリスク因子であり正しい。 子宮体癌について、正しいのはどれか。 2 つ選べ。 (2024-32) a 多妊娠歴のある女性に多い。 b 類内膜癌が多い。 c 本邦では近年増加傾向にある。 d 肥満はリスク因子ではない。 e 進行してから発見されることが多い。 解答: b,c 子宮体癌の基本的な知識を問う問題です。 a :妊娠歴のない女性に多いので誤答である。 b :類内膜癌が80%を占めるので正答である。 c :本邦では子宮体癌は増加傾向にあるので正答。 d :肥満はリスク因子であるので誤答。 e :約70%はⅠ期で発見されるので誤答。 【AI追記】 子宮体癌は、子宮内膜に似た組織型である「類内膜癌」が大部分を占めます。食の欧米化(肥満)などにより日本でも増えていますが、ごく初期から「不正出血」という分かりやすいサインが出るため、約70%が早期(I期)で発見されます。また、妊娠していない期間はエストロゲンの刺激を受け続けるため、妊娠歴がないこと(少妊少産)はリスクになります。 子宮体癌について正しいのはどれか二つ選べ。 (2022-31) a 腹痛を主訴として受診することが多い。 b エストロゲン依存性のものはタイプⅡである。 c 小妊、小産は、子宮体癌のリスクである。 d 子宮体癌の組織型は多くが漿液性がんである。 e 子宮体癌ⅠB 期では、癌の浸潤が子宮筋層の 1/2 以上に達する。 解答: c,e 子宮体癌の疫学、性質を問う問題です。 a :不正出血を主訴として受診することがほとんどであり誤答。 b :エストロゲン依存性のものはTYPEⅠであり誤答。 c :正解。 d :類内膜癌が8割を占めるため誤答。 e :正解。 【AI追記】 子宮体癌には2つのタイプがあります。タイプIはエストロゲンの刺激で発生するもので、大部分を占める「類内膜癌」がこれに当たり、予後は比較的良好です。一方、タイプIIはエストロゲンとは無関係に高齢者に発生するもので、予後が悪いのが特徴です。初期症状は腹痛ではなく「不正出血」がメインです。 c: 妊娠していない期間はエストロゲンの刺激を受け続けるため、少妊少産はリスクとなり正しい。 e: 子宮体癌のⅠB期は、癌が子宮筋層の1/2以上の深さまで浸潤した状態を指すため正しい。 子宮体癌のリスクはどれか。一つ選べ。 (2022-49) a HPV b 肥満 c 妊娠 d 子宮筋腫 e 子宮内膜症 解答: b b :少妊少産/未産、糖尿病とともに疫学的危険因子とされている。 【AI追記】 脂肪細胞からはエストロゲンに似た物質が作られるため、肥満はエストロゲン過剰状態を招き、子宮体癌の大きなリスクになります。逆に、HPVは「子宮頸癌」のリスク因子です。 c: 妊娠中はエストロゲンの刺激が止まる期間であり、むしろ子宮体癌のリスクを下げる方向に働くため誤り。 d・e: 子宮筋腫や子宮内膜症はエストロゲン関連の良性疾患だが、子宮体癌の直接のリスク因子とはされないため誤り。 --- 【子宮体癌のI期では手術が第一選択であり、妊孕性温存例では黄体ホルモン投与、術後再発高リスク例では化学療法が選択肢となる。】 子宮体癌の治療について、正しいのはどれか。 2 つ選べ。 (2024-31, 2021-32) a I 期の症例では、放射線治療が第一選択である。 b 子宮体癌において、内視鏡手術は適応がない。 c 妊孕性温存症例では黄体ホルモン投与も選択肢となる。 d 術後再発高リスク症例では、化学療法が推奨される。 e IV 期では手術の適応はない。 解答: c,d a :Ⅰ期では手術が第一選択である。誤答。 b :内視鏡手術が主流になりつつあり誤答。 c :正解。 d :正解。 e :Ⅳ期でも手術を選択することはあるため誤答。 【AI追記】 子宮体癌の治療は、早期(I期)であっても子宮と卵巣を取り除く「手術」が基本です。ただし、「どうしても将来子どもを産みたい(妊孕性温存)」という若年者の初期癌に限り、エストロゲンの働きを打ち消す黄体ホルモン(MPA)を大量に投与して癌を抑える治療が選ばれることがあります。 子宮体癌、内膜増殖症の治療法の組み合わせで誤っているのはどれか。2 つ選べ。 (2022-30) a 子宮内膜異型増殖症 ― MPA 療法 b 子宮体癌 stageⅠA 期 ― 子宮頸部円錐切除術 c 子宮体癌 stageⅠB 期 ― 広汎子宮全摘術 d 子宮体癌 stageⅢC 期 ― 子宮全摘術+両側付属器切除+後腹膜リンパ節郭清 e 子宮体癌 stageⅣ期 ― 化学療法 解答: b,c 正答・誤答の理由: a ×:内膜増殖症は挙児希望ある場合、MPA療法が適応なので、正しい。 b ○:ⅠAは、基本は単純子宮全摘術を行うので、誤りである。 c ○:ⅠBは、子宮全摘術+両側付属器切除+後腹膜リンパ節郭清なので、誤りである。 d ×:ⅢCは、この術式なので、正しい。 e ×:Ⅳ期は、化学療法なので、正しい。 【AI追記】 子宮頸癌の手術が「広汎子宮全摘術(子宮と周囲を広く取る)」を基本とするのに対し、子宮体癌の基本手術は「単純子宮全摘術+両側付属器(卵巣・卵管)切除」です。体癌は子宮の奥にできるため、入り口だけを削る「円錐切除術」は治療になりません。 --- 【一過性頻脈は胎児well-beingを示す正常所見だが、分娩時CTGレベル判読の必須項目ではない。】 次の項目のうち、分娩時の胎児心拍数レベル判読に不要な要素はどれか。 1 つ選べ。 (2024-17) a 胎児基線心拍数 b 胎児基線心拍細変動 c 胎児心拍数一過性徐脈 d 胎児心拍数一過性頻脈 e 子宮収縮 解答: d 分娩時のCTGレベル分類では胎児基線心拍数およびその細変動、一過性徐脈の種類、重症度で評価する。 この際、一過性徐脈の種類は子宮収縮とのタイミングで決定されるため、一過性頻脈が正解とした。 一過性頻脈は胎児well-beingを評価するNSTでは重要な要素である。 【AI追記】 分娩時の胎児心拍数モニタリング(CTG)では、「心拍数のベースライン」「細変動(細かいギザギザ)」「一過性徐脈(心拍数が下がる波)」の3つから、赤ちゃんが苦しくないか(レベル1〜5)を判定します。心拍数が上がる「一過性頻脈」は赤ちゃんが元気な証拠ですが、危険度をランク付けするレベル判読の項目には含まれません。子宮収縮は徐脈の種類を見分ける(早発か遅発かなど)ために必要な要素です。 次のうち、胎児⼼拍数モニタリングレベル判読を⾏う上で不要な要素はどれか。1 つ選べ。 (2023-21) a 胎児⼼拍数基線 b 胎児⼼拍数基線細変動 c ⼀過性徐脈 d ⼀過性頻脈 e サイナソイダルパターン 解答: d 胎児心拍数モニタリングにおけるレベル判読ができる。 【AI追記】 レベル判読は「赤ちゃんがどれくらい危険な状態か」を評価するルールです。心拍数が上がる「一過性頻脈」は元気に動いている証拠(well-being)なので、危険度を測る要素からは外れます。 a・b・c: 心拍数基線・基線細変動・一過性徐脈はいずれも赤ちゃんの危険度を示す重要な評価項目なので必要である。 e: サイナソイダルパターンは胎児の重症貧血や仮死を示す危険な波形なので、判読上必要な要素である。 胎児⼼拍数陣痛図で⾒られる所⾒として問題がないのはどれか。1 つ選べ。 (2023-43) a 頻脈 b ⼀過性頻脈 c 遷移⼀過性徐脈 d 基線細変動の消失 e サイナソイダルパターン 解答: b b :一過性頻脈は胎動に伴って起こるもので正常な所見である。 【AI追記】 赤ちゃんがお腹の中で動く(胎動)と、大人と同じように一時的に心拍数が上がります。これを「一過性頻脈」と呼び、赤ちゃんの脳や神経が正常に働き、元気でいる証拠となります。 a: 持続的な頻脈は感染や低酸素のサインのことがあり、正常とは言えないため誤り。 c: 遷延一過性徐脈は心拍数が長く下がり続ける状態で、低酸素を疑う異常所見である。 d: 基線細変動の消失は赤ちゃんの状態が悪化している危険なサインである。 e: サイナソイダルパターンは重症貧血や胎児仮死を示す危険な波形である。 39 歳初産婦身長 153cm 体重 60 キロ日妊娠時 50 キロ。体外受精で妊娠し妊娠経過 を順調であった妊娠 40 週 3 日陣痛発売のため入院した胎児は頭位で推定体重を 2760g であった。陣痛発来から 11 時間経過した時点での所見を以下に示す。 体温 37.3°188 血圧 118 の 76 陣痛完結時間 3 分陣痛持続時間 50 秒胎児心拍数基線 は 140 bpm 基線再変動中程度。胎動時に胎児心拍数が 20bpm 増加し 30 秒後基線に 戻る波形があり。徐脈はない内診所見では子宮口開大は 5cm 展退と 80%ステーション± ゼロ小泉門は 11 時方向に振れる この時の判断で正しいのはどれか。 (2022-17) a 遷延分娩である。 b 第一胎向である。 c 第一回旋が生じる前である d 胎児心拍数モニタリングは正常である e 児頭の最大周囲径は骨盤潤部である 解答: d 出題の意図:分娩進行は正常であるかを問う問題である。 正常と判断するには様々な所見を評価する必要がある。 a :初産婦では分娩所要時間が30時間以上であれば遷延分娩であるが、この時点ではまだ11時間しか経過しておらず、遷延分娩の判断はできない。 b :小泉門の位置より第2胎向と判断できるので誤答である。 c :小泉門の位置より第2回旋の最中と判断できるので誤答である。 d :胎児心拍数基線、基線細変動は正常で一過性頻脈を認め、徐脈を認めないので正答である。 e :内診所見より児頭の最大周囲径は骨盤峡部であるので、誤答である。 【AI追記】 心拍数のベースが正常(110〜160)で、ギザギザ(細変動)があり、心拍数が上がる「一過性頻脈」が見られ、下がる「徐脈」がない状態は、赤ちゃんがとても元気な証拠です。また、初産婦のお産は時間がかかるもの(最大30時間程度が目安)なので、11時間ならまだ順調なペースと言えます。 --- 【子宮筋腫の主な症状として過多月経、貧血、圧迫症状などがみられるが、無月経やホットフラッシュなどのホルモン分泌異常に伴う症状はみられない。】 子宮筋腫で考えられる症状として、適当でないのはどれか。 2 つ選べ。 (2024-37) a 尿意切迫感 b ホットフラッシュ c 下腹部腫瘤感 d 不妊症 e 性交痛 解答: b,e 【AI追記】 子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の「コブ」です。コブが大きくなることで、膀胱を圧迫して尿が近くなったり、お腹にしこりを感じたり、不妊の原因になったりします。しかし、ホルモンの異常を起こす病気ではないため、更年期のようなホットフラッシュや月経が止まるといった症状は起きません。 a: 大きくなった筋腫が膀胱を圧迫すると尿意切迫感が起こりうるため、症状として適当である。 b: ホットフラッシュは更年期のエストロゲン低下による症状で、筋腫では起こらないため誤り(適当でない)である。 c: 大きな筋腫はお腹のしこり(下腹部腫瘤感)として触れるため、症状として適当である。 d: 粘膜下筋腫などは着床を妨げ不妊の原因になりうるため、症状として適当である。 e: 性交痛は子宮内膜症などで典型的にみられる症状で、子宮筋腫の典型症状ではないため誤り(適当でない)である。 ⼦宮筋腫で⾒られないのはどれか。1 つ選べ。 (2023-42) a 顔⾊不良 b 便秘 c 不妊症 d 頻尿 e 無⽉経 解答: e 子宮筋腫で起こりうる症状を理解する。 a :過多月経により貧血となり顔色不良をきたすことがある。 b :子宮の増大に伴い、直腸が圧迫され便秘を呈することがある。 c :粘膜下筋腫の場合、不妊の原因となることがある。 d :子宮前面など膀胱に接する方向に筋腫ができ、膀胱を圧迫し頻尿となることがある。 e :誤り。過多月経や月経困難など月経異常を伴うが、無月経とはならない。 【AI追記】 子宮筋腫になると、内膜の面積が広がったり子宮の収縮が悪くなったりして、月経時の出血量が多くなります(過多月経)。その結果、貧血になって顔色が悪くなります。また、物理的なコブが腸や膀胱を圧迫して便秘や頻尿を起こしますが、月経自体が来なくなる(無月経)ことはありません。 35歳の女性。1回経産婦。血液検査では小球性低色素性貧血を認めた。月経周期は28日、整。月経痛はひどくないが、出血量が多くなってきた。内診上、下腹部正中に直径7cmの腫瘤を触知する。考えられるのはどれか。1つ選べ。 (2021-47) a 子宮内膜炎 b 子宮内膜症 c 子宮体癌 d 子宮頸癌 e 子宮筋腫 解答: e 問題文から、月経周期は整順であるが、出血量が多く(過多月経)、貧血を呈するようになった病態と考えられる。 悪性でなければ子宮筋腫をまず想定し、過多月経を呈する筋腫として、粘膜下筋腫や筋層内筋腫を考える。 【AI追記】 月経の量が増えて(過多月経)貧血が進み、内診で下腹部に「コブ(腫瘤)」を触れるのが、子宮筋腫の典型的なパターンです。ホルモン周期は正常なので、月経周期自体は規則正しくやってきます。 a: 子宮内膜炎は感染による炎症で、下腹部痛や発熱が主体であり、大きな腫瘤は触れないため合わない。 b: 子宮内膜症は激しい月経痛が主症状だが、この患者は月経痛が軽いため合わない。 c・d: 子宮体癌・頸癌は悪性腫瘍で不正出血が主症状であり、規則正しい月経で7cmの腫瘤という所見は筋腫の方が合致する。 --- 【子宮内膜症では月経困難症や性交痛、排便痛、不妊などをきたすが、ホルモン環境による月経周期異常(稀発月経や頻発月経)はきたさない。】 子宮内膜症に見られないのはどれか。 (2022-38) a 不妊 b 排便痛 c 稀発月経 d 月経困難症 e 卵巣チョコレート嚢胞 解答: c 子宮内膜症について理解する。 a :卵巣や卵管、骨盤内に異所性に内膜を形成することで不妊を来たしやすい。 b :腸が癒着すると排便痛をきたす。 c :誤り。子宮内膜症は子宮内膜に起こる疾患ではないため、稀発月経はみない。 d :月経困難症をきたすことは多い。 e :別名子宮内膜症性嚢胞。子宮内膜症の卵巣病変である。 【AI追記】 子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が「子宮以外の場所(卵巣やお腹の中)」で増殖して出血する病気です。お腹の中で癒着を起こすため、激しい月経痛、性交痛、排便痛、そして不妊の原因になります。ホルモン周期を乱す病気ではないので、月経の周期が長くなる(稀発月経)などの異常は起きません。 子宮内膜症にみられないのはどれか。1つ選べ。 (2021-37) a 不妊 b 排便痛 c 性交痛 d 頻発月経 e 月経困難症 解答: d 子宮内膜症の大きな特徴は痛みと不妊である。 ホルモン環境には影響を及ぼさないためdはみられない。 【AI追記】 子宮内膜症の2大特徴は「強い痛み」と「不妊」です。お腹の中で炎症や癒着が起きるため、排便痛や性交痛も強くなります。ホルモン分泌自体はおかしくならないため、月経の周期が短くなる(頻発月経)ことはありません。 25歳の女性。3年前から月経痛があり、月経中の最初の1、2日は寝込んでしまう。性交痛もひどく、子宮は後傾後屈で表面は平滑、移動痛を伴う。卵巣は鷲卵大で、可動性はない。Douglau窩に結節を認める。考えられる疾患はどれか。1つ選べ。 (2021-48) a 子宮内膜症 b 子宮筋腫 c 子宮頸癌 d 子宮体癌 e 骨盤内感染症 解答: a 【AI追記】 「寝込むほどの激しい月経痛」「性交痛」「子宮や卵巣が癒着して動かない(可動性がない)」「ダグラス窩(子宮の後ろ)に硬いしこりがある」といった所見は、お腹の中で癒着と炎症を起こす子宮内膜症の典型的なサインです。 b: 子宮筋腫は通常、月経痛より過多月経が主体で、ダグラス窩の結節は典型的でないため合わない。 c・d: 子宮頸癌・体癌は不正出血が主症状であり、若年で激しい月経痛・性交痛という像とは合わない。 e: 骨盤内感染症は急性の発熱や下腹部痛が主で、3年来の月経時の痛みという慢性経過とは合わない。 --- 【骨盤位は帝王切開の適応となり、児頭の嵌入を妨げる胎児頭部異常や子宮奇形・前置胎盤などで起こりやすい。】 骨盤位について、正しいのはどれか。 2 つ選べ。 (2024-16) a 分娩予定日が近づくと頻度が増す。 b 頭が臀部に接して先進することが最も多い。 c 経膣分娩はできない。 d 胎児頭部異常で起こりやすい。 e 妊産婦死亡の主な原因である。 解答: c,d 出題の意図:分娩経過の異常を察知できる。 a :分娩予定日が近づくと自然と頭位になるため誤答である。 b :単殿位=臀部のみが先進することが多いため誤答である。 c :帝王切開を選択するため正解。 d :胎児の頭部が母体の骨盤内に侵入できないことで起こり得るため正答。 e :臍帯脱出などで新生児が脳性麻痺になることはあるが、妊産婦死亡の原因にはなりにくいため誤答である。 【AI追記】 骨盤位はいわゆる「逆子(さかご)」のことです。通常、分娩が近づくと頭が重いため自然に下(頭位)を向きます。しかし、赤ちゃんの頭が大きすぎたり(水頭症など)して骨盤にうまくはまらないと、逆子のままになります。そのまま下から産むとへその緒が先に脱出するなどの危険があるため、帝王切開が選択されます。 ⾻盤位の原因になりにくいものはどれか。1 つ選べ。 (2023-20) a ⼦宮奇形 b 前置胎盤 c 巨⼤児 d 無脳児 e ⽔頭症 解答: c a ×:双角子宮や子宮筋腫など子宮の変形をきたすと骨盤位になりやすい。 b ×:内子宮口を占める全前置胎盤に限らず、内子宮口付近にmass(子宮筋腫など)が存在すれば、骨盤位をきたしやすい。 c ○:巨大児はどこが巨大で、なぜ肩甲難産になるのか、と考えられればより正解に近づく。巨大なのは児頭だけではなく、アメフト選手のような躯幹である。児頭が娩出して肩甲がなかなか娩出しないのが肩甲難産。巨大児というだけで骨盤位になりやすいとは考えられない。 d ×:無脳児は児頭がないという理由より、嚥下しないこと、開放性の部位があること→羊水過多になる、というプロセスにより骨盤位をきたす可能性がある。 e ×:水頭症の児頭は、巨大児の児頭とは比較にならないほど大きくなり、骨盤に嵌入しにくくなる。 【AI追記】 逆子(骨盤位)になる原因は、赤ちゃんが子宮の中でうまく下を向くための「物理的な邪魔」がある場合が多いです(子宮の形がおかしい、胎盤が下にある、頭が大きすぎるなど)。巨大児は体全体が大きいだけで、逆子になりやすい直接の原因にはなりません。 胎位、胎向、胎勢について、誤っているのはどれか。1つ選べ。 (2021-17) a 後頭位は胎勢の異常である。 b 骨盤位は選択的帝王切開術の適応となる。 c 横位の原因として、双角子宮が挙げられる。 d 37週以降に骨盤位から頭位に変わることはない。 e 適応があれば、外回転術によって頭位にできる場合がある。 解答: d 【AI追記】 逆子(骨盤位)のまま陣痛を迎えると危険なため、基本的には予定帝王切開を行います。しかし、妊娠37週以降になっても、まれに自然に頭が下(頭位)に回ることもありますし、医師がお腹の外から手で赤ちゃんを回す「外回転術」を行うこともあります。 a: 後頭位は赤ちゃんがあごを引いて後頭部から出てくる最も正常な姿勢(胎勢)であり、異常ではないため、この記述は誤り。 b: 骨盤位は予定帝王切開の適応となるため正しい。 c: 双角子宮など子宮の変形は横位(赤ちゃんが横向き)の原因となるため正しい。 e: 外回転術でお腹の外から赤ちゃんを頭位に回せる場合があるため正しい。 --- 【IgG抗体は胎盤を通過し、母体由来の自己抗体や抗D抗体が胎児へ移行して胎児疾患の原因となることがある。】 Basedow 病の母体中の抗体が原因で胎児が甲状腺機能亢進症をきたした場合、原因の抗体として最も考えられるのはどれか。 1 つ選べ。 (2024-40) a IgA b IgD c IgE d IgG e IgM 解答: d d :抗TSH受容体抗体の本体。 【AI追記】 抗体(免疫グロブリン)のうち、唯一「IgG」だけが胎盤を通過して赤ちゃんに移行できます。Basedow病のお母さんが持つ抗体(抗TSH受容体抗体)もIgGなので、これが胎盤を通って赤ちゃんの甲状腺を刺激してしまい、赤ちゃんも甲状腺機能亢進症になることがあります。 a・b・c・e: IgA・IgD・IgE・IgMはいずれも胎盤を通過できないため、胎児に影響を与える抗体としては当てはまらない。 胎盤を通過しないのはどれか。一つ選べ。 (2022-45) a IgG b エタノール c サイトメガロウイルス d ブドウ球菌 e トキソプラズマ 解答: d 【AI追記】 胎盤は赤ちゃんを守るフィルターの役目をしていますが、IgG抗体や、小さなウイルス(サイトメガロなど)、アルコール(エタノール)などは通り抜けてしまいます。一方で、ブドウ球菌のような大きな細菌は基本的には胎盤を通過しません。 e: トキソプラズマは原虫で、胎盤を通過して胎児に感染し先天性トキソプラズマ症を起こすため、通過する側に分類される。 Rh型不適合妊娠が問題となるのはどれか。1つ選べ。 (2021-44) a Rh型陽性妊婦がRh型陽性児を妊娠した場合 b Rh型陽性妊婦がRh型陰性児を妊娠した場合 c Rh型陰性妊婦がRh型陽性児を妊娠した場合 d Rh型陰性妊婦がRh型陽性児を出産した場合 e Rh型陰性妊婦がRh型陽性児を出産し、再度Rh型陽性児を妊娠した場合 解答: e Rh型不適合妊娠は、母Rh(-)・児Rh(+)のときに成立する。 成立すると次の妊娠時に問題となる。 母体血と胎児血は隔離されているはずであるが、胎盤の一部の破綻などにより、Rh(+)児の赤血球がRh(-)母体へ移行すると、母体で抗D抗体が産生される。 その抗体が次回以降の妊娠時に、胎盤を通過して胎児に移行して胎児溶血を起こす。 【AI追記】 お母さんがRhマイナス、赤ちゃんがRhプラスの場合、お産の時などに赤ちゃんの血がお母さんの体内に入ると、お母さんは「Rhプラスを攻撃する抗体(IgG)」を作ってしまいます。このIgG抗体が、次の妊娠の時に胎盤を通過して、二人目の赤ちゃんの赤血球を壊してしまうのがRh不適合妊娠の原理です。 a・b: 母体がRh陽性の場合は抗D抗体を作らないため、不適合は問題にならない。 c・d: 母Rh陰性・児Rh陽性で「1人目」の妊娠・出産の段階では、まだ抗体ができていない(できる途中)ため、胎児への影響は基本的に問題にならない。 e: 1人目で抗体ができ、2人目(再度Rh陽性児)の妊娠で抗体が胎児を攻撃するため、これが問題となる状況である。 --- 【風疹ウイルスは経胎盤感染により先天性風疹症候群をきたし、白内障・感音性難聴などの先天異常の原因となる。】 母子感染について、正しいのはどれか。 2 つ選べ。 (2024-13) a HBV、HCV が母子感染した児では、将来の肝硬変、肝癌のリスクがある。 b HTLV-1 が母子感染した児では、将来の ATL、HAM、AIDS のリスクがある。 c 性器クラミジアが母子感染した児では、結膜炎や肺炎のリスクがある。 d GBS が経母乳感染した児では、敗血症や髄膜炎、肺炎のリスクがある。 e 風疹ウイルスや梅毒トレポネーマが経胎盤感染した児では、先天異常(奇形)のリスクはない。 解答: a,c a ○:正しい。 b ×:AIDSのリスクがあるのはHIVである。 c ○:正しい。 d ×:経母乳感染ではなく経産道感染である。 e ×:風疹では先天性風疹症候群(CRS)、梅毒では先天梅毒の先天異常(奇形)のリスクがある。 【AI追記】 妊娠中に風疹や梅毒に感染すると、病原体が胎盤を通って赤ちゃんに感染し、生まれつきの異常(奇形)を引き起こす危険があります。一方、クラミジアはお産の通り道(産道)で感染し結膜炎などを起こし、B型・C型肝炎は将来の肝臓病のリスクになります。 先天性⾵疹症候群について、誤っているのはどれか。1 つ選べ。 (2023-18) a ⽩内障が⾒られる。 b 児の尿中に⾵疹ウイルスが検出される。 c 感⾳性難聴が⾒られる。 d ⼤頭症が⾒られる。 e ⼩児期に予防接種を受けた妊婦からの発⽣は少ない。 解答: d 出題の意図:先天性風疹症候群について理解する。 正答・誤答の理由: a ×:それ以外に胎児発育不全、網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、精神発達遅滞や小眼球などがみられる。 b ×:児の尿や咽頭から風疹ウイルスが検出される。他の診断法として、児血清中の風疹に対する特異的IgM抗体を検出する方法もある。 c ×:妊娠初期(妊娠20週未満)の母体が風疹ウイルスに初感染すると、白内障、感音性難聴と先天性心疾患(動脈管開存症)の三大症状を含む多岐にわたる障害を引き起こす。 d ○:小頭症を認めることはあるが、大頭症はみられない。 e ×:小児期に風疹の予防接種を受けた妊婦からの発生は少ない。ただし終生免疫ではないため、皆無とはならない。 【AI追記】 妊娠初期にお母さんが初めて風疹にかかると、ウイルスが胎盤を通って赤ちゃんに感染し「先天性風疹症候群」を引き起こします。代表的な三大症状は「白内障・感音性難聴・先天性心疾患」です。脳の発育が遅れて頭が小さくなる(小頭症)ことはあっても、大きくなる(大頭症)ことはありません。 産道感染が問題とならないのはどれか一つ選べ。 (2022-15) a 風疹ウイルス b C 型肝炎ウイルス c ヒト免疫不全ウイルス d B 群溶血性レンサ球菌(GBS) e 水痘・帯状疱疹ウイルス 解答: a 出題の意図:産道感染を起こす病原体を理解する。 正答・誤答の理由: a ○:妊娠中、母体が風疹ウイルスに感染すると胎内感染(経胎盤感染)により胎児も風疹ウイルスに感染し、先天性風疹症候群(CRS:congenital rubella syndrome)と呼ばれる先天異常を生じることがある。産道感染は起こさない。 b~e ×:産道感染を起こす。 【AI追記】 母子感染には、血液と胎盤を通る「経胎盤感染」、お産の通り道でうつる「産道感染」、母乳からうつる「経母乳感染」があります。風疹ウイルスはお腹の中で胎盤を通じて感染する「経胎盤感染」の代表格です。 --- 【サイトメガロウイルスは胎内感染により胎児腹水や小頭症・肝脾腫・難聴などの重篤な症状を起こしうる。】 図(別添)は、胎児エコー検査における胎児腹部の異常像である。 この異常像から疑われる母子感染症病原体はどれか。 1 つ選べ。 (2024-14) a ヒト T 細胞白血病ウイルス 1 型(HTLV-1) b ヒト免疫不全ウイルス(HIV) c B 群溶血性連鎖球菌(GBS) d リステリア菌 e サイトメガロウイルス(CMV) 【図表別冊:No.2】 解答: e 図は胎児腹水の像である。 胎児腹水を呈する母子感染症病原体にはサイトメガロウイルス(CMV)の他、トキソプラズマ、ヒトパルボウイルスB19などがある。 【AI追記】 サイトメガロウイルス(CMV)などの病原体が妊娠中に胎内感染すると、赤ちゃんの肝臓や脾臓がダメージを受けて腫れたり、お腹に水が溜まったり(胎児腹水)と、重篤な症状を引き起こすことがあります。 a・b: HTLV-1やHIVは主に将来の白血病やAIDSのリスクとなる感染で、胎児腹水を起こす代表病原体ではない。 c・d: GBSやリステリア菌は主に産道感染や新生児の敗血症・髄膜炎を起こす細菌で、胎児腹水の典型的な原因ではない。 サイトメガロウイルスについて、誤っているのはどれか。1 つ選べ。 (2023-17) a ⺟⼦感染では難聴が⾒られる。 b 重篤な胎内感染を発症する。 c 胎児に⾼度の貧⾎が認められる。 d 尿からウイルスを分離できる。 e 産道感染を起こす。 解答: c 出題の意図:サイトメガロウイルスについて理解する。 正答・誤答の理由: a ×:子宮内感染を引き起こすと、巨細胞封入体症の一症状として聴力障害(感音性難聴)を呈する場合がある。 b ×:小頭症、肝脾腫、網脈絡膜炎、脳内石灰化を来す。 c ○:胎児貧血は来さない。 d ×:生後しばらくは唾液、尿中からのウイルス分離が可能である。PCRによってCMV-DNAを検出する。 e ×:妊娠中の感染では、経胎盤感染・経産道感染が起こる。出産後にも母乳感染を来しうる。 【AI追記】 サイトメガロウイルスが胎児に感染すると、脳の発育が遅れて小頭症になったり、耳が聞こえにくくなる(感音性難聴)ことがあります。一方、胎児に強い貧血を起こす代表的なウイルスは、リンゴ病の原因である「ヒトパルボウイルスB19」です。 胎内感染により胎児に重篤な症状を引き起こす原因とならないのはどれか。1つ選べ。 (2021-15) a トキソプラズマ感染症 b A型肝炎 c サイトメガロウイルス感染症 d 単純ヘルペスウイルス感染症 e 梅毒 解答: b 出題の意図:TORCH症候群の構成を理解している。 正答・誤答の理由: 胎内感染により胎児に重篤な症状を引き起こす感染症を総称してTORCH症候群という。 a、c、d、eはTORCH症候群に該当するが、bはTORCH症候群に該当しない。 【AI追記】 妊娠中に胎盤を通じて感染し、赤ちゃんに重篤な奇形や障害を起こす代表的な病原体の頭文字をとって「TORCH(トーチ)症候群」と呼びます。T(トキソプラズマ)、O(その他:梅毒など)、R(風疹)、C(サイトメガロ)、H(ヘルペス)の5つです。A型肝炎は急性の経口感染症で、母子の胎内感染で奇形を起こす病原体には含まれません。 --- 【絨毛癌は手術を必須とせず化学療法を先行することが多く、胎盤部トロホブラスト腫瘍や類上皮性トロホブラスト腫瘍では手術が第一選択となる。】 誤っているのはどれか。 2 つ選べ。 (2024-35) a 胞状奇胎は経膣超音波検査で子宮内に胎嚢が確認できたら否定できる。 b 全胞状奇胎と部分胞状奇胎の鑑別に用いる免疫染色検査では父由来のインプリンティング遺伝子である p57Kip2 の発現の有無をみる。 c 絨毛癌ではまず手術をして病理診断をつけて、術後再発リスクに応じた術後補助治療を行う。 d 侵入奇胎は全胞状奇胎の 10〜20%、部分胞状奇胎の 0.5〜2%に続発する。 e 絨毛癌の病理組織像では原則として絨毛構造を認めない。 解答: b,c 絨毛性疾患に対する知識を問う。 p57Kip2は父由来ではなく母由来のインプリンティング遺伝子なのでbは誤りである。 絨毛癌では手術は必須ではなく、まずは臨床的に絨毛癌診断スコアをつけてリスクを評価し、化学療法を先行させることも多いので、cは誤りである。 【AI追記】 絨毛癌は妊娠の組織(胎盤の細胞)から発生する非常に悪性度の高い癌ですが、抗がん剤(化学療法)が劇的によく効くという大きな特徴があります。そのため、他の癌のように「まず手術で切り取る」のではなく、抗がん剤治療をメインに行うことが多いです。 a: 胞状奇胎は正常な胎嚢ができず特徴的な所見を呈する病態で、子宮内に正常な胎嚢が確認できれば否定できるため、この記述は正しい。 d: 侵入奇胎は全胞状奇胎の方が部分奇胎より高頻度に続発するため、この数値の記述は正しい。 e: 絨毛癌は絨毛構造をもたずに増殖する癌であり、病理像で原則として絨毛構造を認めないため正しい。 絨毛癌に対する抗がん剤として誤っているのはどれか。 2 つ選べ。 (2024-36) a エトポシド b アクチノマイシン D c パクリタキセル d メトトレキサート e カルボプラチン 解答: c,e 疾患:絨毛癌 出題の意図:絨毛癌に対する化学療法について問う。 a、b、dは絨毛癌で行う多剤併用化学療法の中に含まれる。 c、eは卵巣癌、子宮体癌、子宮頸癌などで使用することがある抗がん剤である。 【AI追記】 絨毛癌には、複数の抗がん剤を組み合わせた強力な化学療法(EMA/CO療法など)が行われます。これにはエトポシドやメトトレキサートなどが使われます。パクリタキセルやカルボプラチンは、卵巣癌などでよく使われる一般的な抗がん剤です。 a・b・d: エトポシド・アクチノマイシンD・メトトレキサートはいずれも絨毛癌の標準的な併用化学療法に含まれるため、正しい(誤りでない)薬である。 次の内、治療法として手術が第一選択であるのはどれか。 (2022-36) a 侵入奇胎 b 絨毛癌 c 胎盤部トロホブラスト腫瘍 d 類上皮性トロホブラスト腫瘍 e 奇胎後 hCG 存続症 解答: c,d 【AI追記】 絨毛癌や侵入奇胎は抗がん剤がとてもよく効くため、手術よりも化学療法がメインになります。しかし、同じ胎盤の細胞(トロホブラスト)から発生する腫瘍でも、「胎盤部トロホブラスト腫瘍(PSTT)」などは抗がん剤が効きにくいため、子宮を摘出する「手術」が第一選択になります。 a・b: 侵入奇胎・絨毛癌は化学療法が著効するため、手術は第一選択ではない。 e: 奇胎後hCG存続症も化学療法が主体で、手術が第一選択にはならない。 --- 【子宮から腰リンパ節へのリンパ液の流路となる構造物は、卵巣提索である。】 ⼦宮底から腰リンパ節へのリンパ管が沿う構造物はどれか。1 つ選べ。 (2023-10) a 基靱帯 b ⼦宮円索 c 卵巣提索 d 固有卵巣索 e デノビエ筋膜 解答: c 【AI追記】 子宮の上部(子宮底)や卵巣のリンパ液は、「卵巣提索(骨盤漏斗靭帯)」という靭帯の中を通る血管に沿って、お腹の上の方にある「腰リンパ節(傍大動脈リンパ節)」へと流れていきます。癌が転移するルートとして解剖学的に重要です。 a: 基靭帯は子宮頸部を支える靭帯で、リンパは骨盤壁の方へ向かうため腰リンパ節への経路ではない。 b: 子宮円索は子宮を前方へ引っ張る靭帯で、鼠径部の方へ向かう。 d: 固有卵巣索は卵巣と子宮をつなぐ短い索で、腰リンパ節への主要なリンパ路ではない。 e: デノビエ筋膜は直腸と腟の間にある膜で、リンパ流路とは関係ない。 解剖学的に子宮から腰リンパ節へのリンパ液の流れはどの構造物に沿うか。1 つ選べ。 (2022-6) a 基靭帯 b 卵巣提索 c 子宮円索 d 子宮広間膜 e デノビエ筋膜 解答: c 【AI追記】 子宮や卵巣に栄養を送る血管は、お腹の上の方(大動脈)から「卵巣提索」というトンネルを通って下りてきます。そのため、リンパ液もこの同じルートを逆戻りするように通って、上方の腰リンパ節に流れていきます。 (※この問題の選択肢では「卵巣提索」がbにあたり、解剖学的に腰リンパ節への流路となるのは卵巣提索である。aの基靭帯は骨盤壁へ、cの子宮円索は鼠径部へ、dの子宮広間膜は子宮を包む膜、eのデノビエ筋膜は直腸腟間の膜で、いずれも腰リンパ節への主要な流路ではない。) --- 【女性の更年期(閉経期)には、卵巣からのエストロゲン分泌低下に対するフィードバックにより、下垂体からのゴナドトロピン(FSHなど)の分泌が上昇する。】 女性の更年期に上昇するホルモンとして正しいのはどれか。 1 つ選べ。 (2024-51) a FSH b エストロゲン c オキシトシン d TSH e ACTH 解答: a 女性の性周期は視床下部―下垂体―卵巣系からのホルモン分泌でコントロールされており、閉経は加齢により卵巣から分泌されるエストロゲン産生の減少によって引き起こされる現象である。 閉経期はエストロゲン分泌低下により下垂体からのゴナドトロピン分泌は上昇する。 いわゆるhypergonadotoropic-hypogonadismの状態となる。 【AI追記】 女性のホルモンは、脳(下垂体)から「卵巣を刺激するホルモン(FSH)」が出て、それに応えて卵巣から「エストロゲン」が出る仕組みです。更年期になって卵巣が疲れ果ててエストロゲンが出なくなると、脳は「もっとホルモンを出せ!」と焦ってFSHを過剰に分泌するようになります。 b: エストロゲンは卵巣機能の低下により減少するため、上昇するものとしては誤り。 c・d・e: オキシトシン(分娩・授乳に関与)、TSH(甲状腺)、ACTH(副腎)はいずれも卵巣の更年期変化と直接連動して上昇するホルモンではない。 59 歳の女性。6 年前から一過性に顔面のほてり、発汗および動悸が起こり、不眠が持続するため来院した。閉経は 52 歳、脈拍 72/分、整。血圧 138/74mmHg。甲状腺機能検査と副腎髄質機能検査に異常はない。 この病態で分泌亢進が予想される下垂体ホルモンはどれか。1 つ選べ。 (2022-22) a 成長ホルモン b ゴナドトロピン c 副腎皮質刺激ホルモン d プロラクチン e 抗利尿ホルモン 解答: b 【AI追記】 ほてり、発汗、動悸などは更年期障害(ホットフラッシュ)の典型的な症状です。卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)が減ると、それを補おうとして脳の下垂体が働きすぎになり、ゴナドトロピン(FSHやLH)が過剰に分泌されます。この脳の興奮が自律神経を乱し、様々な不調を起こします。 a・c・d・e: 成長ホルモン・副腎皮質刺激ホルモン・プロラクチン・抗利尿ホルモンは、それぞれ別の系を調節するホルモンで、閉経後のエストロゲン低下に反応して上昇するものではない。 --- 【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の血液検査では、FSH基礎値は正常である一方でLH基礎値が高値となり、LH/FSH比が高値を示す。】 23 歳の女性。 不妊を主訴に来院した。 2 年前に結婚。 内分泌検査にて FSH 上昇を伴わない LH 高値を認める。 GnRH 負荷試験にて LH の過剰反応がみられる。 考えられるのはどれか。 1 つ選べ。 (2024-12) a 高プロラクチン血症 b Klinefelter 症候群 c 甲状腺機能低下症 d 多嚢胞性卵巣症候群 e 子宮筋腫 解答: d 内分泌検査、GnRH負荷試験の特徴的な所見から多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を想起する。 d :排卵障害があるため、不妊症の原因ともなる。 血液検査でLH基礎値高値かつFSH基礎値正常であるのが特徴である。 【AI追記】 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣の中に小さな卵胞がたくさん溜まり、うまく排卵できなくなる病気です。血液検査では、脳からのホルモンのうち「LH」だけが異常に高く分泌され、「FSH」は正常のままであるというアンバランス(LH>FSH)が特徴です。 a: 高プロラクチン血症はプロラクチンが高くなる病態で、LH高値のパターンとは異なる。 b: Klinefelter症候群は男性(47,XXY)の疾患であり、女性の不妊例には当てはまらない。 c: 甲状腺機能低下症はTSH高値が主体で、LH優位の所見とは合わない。 e: 子宮筋腫はホルモン異常を起こさないため、この内分泌所見とは合わない。 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について誤っているのはどれか。1 つ選べ。 (2023-29) a インスリン抵抗性が認められる。 b ⾎中 LH/FSH ⽐が低値を⽰す。 c プロゲステロン負荷試験で消退出⾎が⾒られる。 d ゴナドトロピン療法で多胎妊娠が起こりやすい。 e 排卵周期の回復に腹腔鏡下卵巣多孔術が⽤いられる。 解答: b a :PCOSでは耐糖能異常をきたし、インスリン抵抗性を認める。 b :誤り。多嚢胞性卵巣症候群ではLHは高値となるもFSHは正常値であるため、血中LH/FSH比は高値となる。 c :エストロゲンは正常からやや高値であり、プロゲステロン負荷試験で消退出血がみられる第1度無月経である。 d :白膜肥厚により排卵が抑制されており、ゴナドトロピン療法で多胎妊娠が起こりやすい。 e :薬物療法の後、排卵周期の回復に腹腔鏡下卵巣多孔術が用いられることがある。 【AI追記】 PCOSではLHが異常に高く分泌されるため、LHとFSHの比率(LH/FSH比)は「高値」になります。また、血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」を合併しやすく、これが男性ホルモンを増やして排卵を邪魔する原因の一つになります。 --- 【両側卵管留水腫などの高度な卵管性不妊に対する第一選択の治療は、体外受精である。】 38 歳⼥性。不妊期間 8 ヶ⽉を主訴に来院した。受診時の経膣超⾳波検査では、卵巣両側に4-5cm ⼤の内膜性嚢胞を認めたが、⽉経困難症の⾃覚はなかった。不妊スクリーニングを開始し、卵管造影検査で両側の卵管⽔腫を認めた。またご主⼈の精液検査で⾼度乏精⼦症の所⾒を認めた。このご夫婦に推奨される治療法として適切なのはどれか。1 つ選べ。 (2023-16) a 卵管鏡⼿術 b タイミング療法 c ⼈⼯授精 d 体外受精 e 腹腔鏡下卵巣腫瘍核摘出術 解答: d a :卵管水腫に対して卵管鏡手術は適応とはならない。 b、c :卵管水腫と高度乏精子症があるため不妊治療法として体外受精が推奨となるため、一般不妊治療は適応とはならない。 d :正解。 e :月経困難症もなく、手術による卵巣機能低下の可能性もあるため、不妊治療に先行して手術を行うのは第一選択とはならない。 【AI追記】 卵子と精子が出会うトンネルである「卵管」が両側とも詰まって水が溜まっている(卵管水腫)場合や、精子の数が極端に少ない場合は、自然妊娠や人工授精では受精が難しくなります。そのため、体外で受精させてから直接子宮に戻す「体外受精」が第一選択となります。 不妊を主訴に来院した女性の子宮卵管造影写真を示す。適切な対応はどれか。ひとつえらべ。 (2022-48) a クロミフェン療法 b ゲスターゲン療法 c 人工受精 d 体外受精 e 染色体検査 解答: d 子宮卵管造影検査から卵管留水腫およびそれに伴う卵管閉鎖が疑われる。 d :体外受精は最近では卵管性不妊(特に両側の卵管通過障害)の第一選択である。 【AI追記】 子宮卵管造影検査で、卵管が詰まって先が風船のように膨らんでいる状態(卵管留水腫)が確認された場合、卵管を直す手術をするよりも、卵管を通らずに妊娠できる「体外受精」が最近の標準的な治療となっています。 a: クロミフェンは排卵を促す薬で、卵管が詰まった不妊には効果がない。 b: ゲスターゲン療法はホルモン療法で、卵管閉塞の不妊治療にはならない。 c: 人工授精は精子を子宮に入れる方法だが、卵管が通っていないと受精できないため不適である。 e: 染色体検査は卵管閉塞の所見に対する対応とはならない。 --- 【子宮体癌に対するロボット手術は開腹手術に比べて出血量が少なく、入院期間が短く、創部が小さく術後疼痛が少ないが、保険適応はⅠA期のみである。】 開腹手術に比べてロボット支援下手術が有利となるのはどれか。 2 つ選べ。 (2024-28) a 手術時間 b 進行癌への対応 c 創部の大きさ d 術後疼痛 e 操作性 解答: c,d 出題の意図:開腹手術とロボット手術の違いについて理解できる。 正答・誤答の理由: a :手術時間は開腹手術の方が短いため誤答。 b :ロボット手術の適応はⅠA期のみのため誤答。 c :ロボット手術は創部が小さいため正答。 d :創部が小さく、術後疼痛はロボット手術の方が少ないため正答。 e :直接手で操作する開腹手術の方が操作性は高いため誤答。 【AI追記】 ロボット支援下手術は、お腹に小さな穴をいくつか開けて行うため、お腹を大きく切る開腹手術に比べて「傷が小さい」「痛みが少ない」「出血量が少ない」「回復が早い」といった大きなメリットがあります。ただし、準備などに手間がかかるため手術時間自体は長くなる傾向があります。 開腹⼿術に⽐べてロボット⼿術が勝っている点はどれか。2 つ選べ。 (2023-31) a ⼿術時間 b 出⾎量 c 操作性 d ⼊院期間 e 進⾏癌への対応 解答: b,d 出題の意図:開腹手術とロボット手術の違いについて理解できる。 正答・誤答の理由: a :手術時間は開腹手術の方が短いため誤答。 b :ロボット手術は出血量が少ないことがメリットであるため正答。 c :直接手で操作する開腹手術の方が操作性は高いため誤答。 d :入院期間はロボット手術が短いため正答。 e :ロボット手術の適応はⅠA期のみのため誤答。 【AI追記】 ロボット手術は、カメラで拡大された3D映像を見ながら精緻な操作ができるため、出血量を非常に少なく抑えることができます。体へのダメージが少ないため回復も早く、入院期間も短くて済みます。 ロボット⼿術の適応となる⼦宮体癌の進⾏期はどれか。1 つ選べ。 (2023-32) a ⅠA 期 b ⅠB 期 c Ⅱ期 d Ⅲ期 e Ⅳ期 解答: a 出題の意図:子宮体癌へのロボット手術の適応を正しく理解できる。 正答・誤答の理由: a :現在の保険適応はⅠA期のみであるため正答。 b :保険適応外のため誤答。 c :保険適応外のため誤答。 d :保険適応外のため誤答。 e :保険適応外のため誤答。 【AI追記】 子宮体癌に対するロボット手術は、安全性や有効性がしっかり確認されているごく初期の「IA期」に対してのみ、現在健康保険が適用されています。進行癌にはまだ適応されていません。 --- 【外陰癌の組織型は扁平上皮癌が多く、所属リンパ節である鼠径リンパ節への転移をきたしやすい。】 誤っているのはどれか。2 つ選べ。 (2023-39) a VAIN は外陰部上⽪性腫瘍の略であり、外陰癌の前癌病変となる。 b ⾼齢者の外陰部癌は、閉経前後での外陰癌と⽐較して、HPV ⾮関連であり予後不良である。 c 外陰癌の初期症状に外陰部掻痒感がある。 d 外陰部 Paget 病の 10-20%に腺癌を合併する。 e 外陰癌の所属リンパ節は⾻盤リンパ節である。 解答: a,e 外陰癌や外陰Paget病についての知識を問う。 VINは外陰部上皮内腫瘍、VAINは腟上皮内腫瘍の略であり、aは誤りである。 外陰癌の所属リンパ節は鼠径リンパ節であり、eは誤りである。 【AI追記】 外陰部(女性器の外側)にできる癌を外陰癌と呼びます。皮膚の細胞から発生するため「扁平上皮癌」が大部分を占めます。外陰部は足の付け根(鼠径部)に近いため、癌が進行するとまず「鼠径リンパ節」に転移しやすいという特徴があります。 b: 高齢者の外陰癌はHPVと無関係に発生し予後が悪い傾向があるため、この記述は正しい。 c: 外陰部のかゆみ(掻痒感)は外陰癌の初期症状としてみられるため、この記述は正しい。 d: 外陰部Paget病は一部に腺癌を合併することがあるため、この記述は正しい。 外陰癌について、誤っているのはどれか。2つ選べ。 (2021-35) a 外陰癌ではリンパ節転移は稀である。 b 外陰癌は扁平上皮癌が多い。 c 外陰癌は腺癌が多い。 d HPV感染がリスクファクターとなる。 e 大腿部や腹部の皮弁で外陰再建をすることがある。 解答: a,c a ○ b × c ○:扁平上皮癌が多い。 d × e × 【AI追記】 外陰癌は皮膚表面の細胞から発生するため、組織型は「扁平上皮癌」が最も多くなります(腺癌は奥の粘膜などに多いです)。初期症状として治りにくいかゆみ(掻痒感)やしこりがあり、進行すると足の付け根(鼠径リンパ節)に転移しやすくなります。 a: 外陰癌は鼠径リンパ節に転移しやすく、リンパ節転移は稀ではないため、この記述は誤り。 d: HPV感染は若年者の外陰癌のリスク因子となるため、この記述は正しい。 e: 外陰を大きく切除した後は皮弁で再建することがあるため、この記述は正しい。 --- 【絨毛癌は血行性転移(特に肺転移)をきたしやすいため、胸部X線検査の診断的意義が高い。】 誤っているのはどれか二つ選べ。 (2022-35) a 絨毛性疾患は妊娠悪阻のような症状を認めることがある。 b 胞状奇胎の超音波所見では vesicular pattern を認める。 c 全胞状奇胎は雄核発生である。 d 絨毛癌に肺転移は少ない。 e 絨毛癌の発生に妊娠は関連しない。 解答: d,e d :肺転移が最多。 e :正常妊娠や流産後に続発することもある。 【AI追記】 絨毛癌は胎盤の細胞が癌化したもので、血管に侵入して血流に乗りやすいという特徴があります。そのため、血液に乗って「肺」へ転移することが非常に多く、診断には胸部X線やCTで肺転移がないか調べることが重要です。 a: 絨毛性疾患ではhCGが大量に出るため、妊娠悪阻に似たひどいつわり症状を起こすことがあり、この記述は正しい。 b: 胞状奇胎では超音波で多数の小さな嚢胞が集まった特徴的な像(vesicular pattern)を認めるため、この記述は正しい。 c: 全胞状奇胎は父由来の遺伝子のみで発生する(雄核発生)ため、この記述は正しい。 誤っているのはどれか。2つ選べ。 (2021-36) a 絨毛性疾患ではhCGは治療中のマーカーにもなる。 b 絨毛性疾患は悪阻症状を契機に診断されることがある。 c 胞状奇胎治療後の妊娠は禁忌である。 d 絨毛癌において胸部レントゲンの診断的意義は低い。 e 絨毛癌の主な治療は化学療法である。 解答: c,d a × b × c ○:胞状奇胎治療後は妊娠許可することもある。 d ○:肺転移も多い。 e × 【AI追記】 絨毛性疾患では、妊娠時に分泌されるホルモンである「hCG」が腫瘍マーカーとして非常に有用で、治療効果の判定に使われます。また、絨毛癌は血流に乗って肺に転移しやすいため、胸部レントゲン検査で肺に影がないか確認することは必須となります。 a: hCGは絨毛性疾患の治療効果や再発を見るマーカーとなるため、この記述は正しい。 b: 絨毛性疾患はhCG高値による悪阻症状をきっかけに見つかることがあるため、この記述は正しい。 e: 絨毛癌は化学療法がよく効くため主な治療は化学療法であり、この記述は正しい。 --- 【梅毒の病期において、第1期では初期硬結や硬性下疳、第2期ではバラ疹、第3期ではゴム腫がみられる。】 梅毒について、正しいのはどれか。2 つ選べ。 (2023-27) a 早期梅毒第 1 期では、初期硬結や軟性下疳を⽣じる。 b 早期梅毒第 2 期では、バラ疹や梅毒性乾癬を⽣じる。 c 後期梅毒第 3 期では、性感染を起こし得る。 d 早期潜伏梅毒では、⺟⼦感染を起こすることはない。 e 後期潜伏梅毒では、⺟⼦感染を起こし得る。 解答: b,e a :硬性下疳である。 c :性感染は起こさない。 d :母子感染は起こし得る。 【AI追記】 梅毒は感染してからの時期(病期)によって症状が変わります。第1期(数週間後)は感染部位に硬いしこり(初期硬結・硬性下疳)ができ、第2期(数ヶ月後)は全身に赤い発疹(バラ疹)が出ます。妊婦が感染していると、どの時期でも胎盤を通じて赤ちゃんに感染(母子感染)する危険があります。 a: 第1期にできるのは「硬性下疳」であり、「軟性下疳」は別の性感染症(軟性下疳菌)の病変なので、この記述は誤り。 b: 第2期では全身にバラ疹や梅毒性乾癬などの発疹が出るため、この記述は正しい。 c: 第3期では病原体が血液中などに少なく性感染を起こさないため、この記述は誤り。 d: 早期潜伏梅毒でも病原体は体内にいるため母子感染を起こしうるので、この記述は誤り。 e: 後期潜伏梅毒でも母子感染を起こしうるため、この記述は正しい。 梅毒感染症の病期と所見で、正しい組み合わせはどれか。一つ選べ。 (2022-23) a 1 期 大動脈瘤 b 2 期 初期硬結 c 3 期 ゴム腫 d 4 期 硬性下疳 解答: c 疾患:梅毒 出題の意図:梅毒感染増加が問題となっており、正確な知識を持ってもらう必要があります。 ゴム腫は第3病期の所見で、3-10年の経過で出現します。 【AI追記】 梅毒が進行して第3期(感染から数年後)になると、皮膚や骨などに「ゴム腫」と呼ばれるゴムのように弾力のある大きなしこりが出現します。現在の日本では抗菌薬で早く治療されるため、ここまで進行することは稀です。 a: 大動脈瘤(心血管梅毒)は第3期以降の晩期にみられる所見で、1期との組み合わせは誤り。 b: 初期硬結は第1期の所見であり、2期との組み合わせは誤り。 d: 硬性下疳は第1期の所見であり、4期との組み合わせは誤り。 --- 【卵巣過剰刺激症候群では、血管透過性亢進により腹水・血液濃縮・凝固能亢進・低蛋白血症をきたし、血管内脱水により乏尿となる。】 卵巣過剰刺激症候群でみられないのはどれか。 1 つ選べ。 (2024-11) a 多尿 b 腹水貯留 c 血液濃縮 d 凝固能亢進 e 低蛋白血症 解答: a 不妊治療(体外受精)における、ゴナドトロピンによる過排卵刺激により発生する病態である。 卵巣が腫大し、多数の黄体からの過剰なエストロゲンにより血管の透過性が亢進し、腹水、胸水が生じる。 その程度によっては、血管内脱水の状態(末梢血白血球・ヘマトクリット値上昇)となり、血栓塞栓症が起こり、時として重篤になる。 a ○:血管内脱水により乏尿となる。 b、c × d ×:血管内脱水が起こると、血小板凝集能が亢進し、凝固能も亢進する。 e ×:腹水・胸水中に蛋白も漏出し、結果として低蛋白血症になる。 【AI追記】 不妊治療の薬で卵巣が過剰に刺激されると、卵巣が腫れ、血管の壁が緩くなって血管内の水分がお腹の中(腹水)などに漏れ出してしまいます。結果として、血管の中は水分不足(脱水・血液濃縮)になり、尿の量が減ります(乏尿)。血もドロドロになるため血栓ができやすくなります。 卵巣過剰刺激症候群について、正しいのはどれか。2つ選べ。 (2021-14) a 卵巣刺激によって引き起こされる医原性の病気である。 b 血管内の水分が増量し、尿量が増える。 c 卵巣刺激のためのHMGによって発症する。 d 予防として、カベルゴリンの内服を行う。 e 妊娠によって軽快する。 解答: a,d 【AI追記】 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は不妊治療の薬(HMGなど)を使った結果起こる医原性の副作用です。血管内の水分がお腹に漏れるため、尿量は極端に減ってしまいます。妊娠が成立すると、妊娠ホルモン(hCG)の影響でさらに重症化しやすいのが特徴です。 a: OHSSは不妊治療の卵巣刺激によって生じる医原性疾患であり、正しい。 b: 血管内の水分は腹水などに漏れて減るため尿量は減少し、「増える」というこの記述は誤り。 c: HMGなどのゴナドトロピン製剤で発症するが、最終的にはhCGがトリガーとなって重症化するため、Cを単独で正しいとするかは出題により扱いが分かれる(本問では解答a,dである)。 d: カベルゴリンはOHSSの予防に用いられるため、正しい。 e: 妊娠するとhCGの影響でむしろ重症化・遷延しやすいため、「軽快する」というこの記述は誤り。 --- 【早発一過性徐脈は子宮収縮と心拍数低下のタイミングが一致し、児頭圧迫で起こることが多い。】 胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数と子宮収縮圧の波形が一致するのはどれか。 1 つ選べ。 (2024-39) a 一過性頻脈 b 早発一過性徐脈 c 遅発一過性徐脈 d 変動一過性徐脈 e 遷延一過性徐脈 解答: b b :子宮収縮の開始と同時に心拍数が低下し、その終了と同時に元に戻る。 児頭の圧迫が原因であることが多い。 【AI追記】 お産の時に子宮が収縮すると、赤ちゃんの頭が圧迫されます。それに反射して一時的に心拍数がゆっくりになる(徐脈)のを「早発一過性徐脈」と呼びます。子宮収縮の波と心拍低下の波がピタッと一致するのが特徴で、これは頭が挟まれているだけなので正常な反応です。 a: 一過性頻脈は心拍数が上がるもので、子宮収縮と一致して下がる波形ではない。 c: 遅発一過性徐脈は子宮収縮のピークより遅れて心拍が下がるため、波形は一致しない。 d: 変動一過性徐脈はへその緒の圧迫が原因で、子宮収縮と無関係に形がバラバラになる。 e: 遷延一過性徐脈は2分以上長く心拍が下がり続けるもので、収縮波形とは一致しない。 胎児心拍数図で子宮収縮と関係ないのはどれか。2 つ選べ。 (2022-8) a 早発一過性徐脈 b 遅発一過性徐脈 c 変動一過性徐脈 d 基線細変動 e サイヌソイダルパターン 解答: d,e 胎児心拍図では、心拍数基線、基線細変動、一過性頻脈、一過性徐脈の4つをみる必要がある。 a ×:子宮収縮のピークと心拍数の最下点は一致する。 b ×:子宮収縮のピークより心拍数の最下点は遅れる。 c ×:徐脈ごとに形が異なる。 d ○:子宮収縮とは関係なく、自立神経系の調節により変動している。低酸素状態では、減少、消失がみられる。 e ○:10分間以上継続する一定の周期と振幅をもつ正弦波様の心拍変動であり、胎児心不全、胎児水腫、重症貧血で認められる。子宮収縮とは関係ない。 【AI追記】 心拍数が下がる「一過性徐脈」のうち、子宮収縮と関係なく形がバラバラなものを「変動一過性徐脈(へその緒の圧迫が原因)」と呼びます。また、「サイヌソイダルパターン」は波のように滑らかなサインカーブを描く波形で、赤ちゃんが重症な貧血などに陥っている危険なサインであり、子宮収縮とは関係なく現れます。 --- 【分娩第1期は陣痛発来から子宮口全開大まで、第2期は子宮口全開大から児娩出まで、第3期は児娩出後から胎盤娩出までである。】 正常分娩で正しいのはどれか。1 つ選べ。 (2023-19) a 分娩第 1 期は産徴が⾒られてから外⼦宮⼝全開⼤までの期間である。 b 分娩第 1 期では陣痛発作と間⽋は 2 分ごとに起こる。 c 分娩第 2 期では児は発露後排臨となる。 d 分娩第 2 期に⽮状縫合は⾻盤横径に⼀致する。 e 分娩第 3 期は児娩出後から始まる。 解答: e a ×:分娩第1期は陣痛発来から子宮口全開大まで。 b ×:子宮口開大の程度により陣痛発作と間欠期時間は変化する。 c ×:排臨から発露に変化する。 d ×:通常分娩第2期(子宮口全開大)では矢状縫合は骨盤前後径にほぼ一致する。 e ○:分娩第3期は胎盤娩出まで。 【AI追記】 分娩の進行は3つの時期に分けられます。第1期は陣痛が始まってから「子宮口が全開大(約10cm)」になるまで。第2期はそこから「赤ちゃんが生まれる」まで。第3期は赤ちゃんが生まれた後、「胎盤がはがれて外に出る」までです。 分娩第2期について、誤っているのどれか。2つ選べ。 (2021-18) a 分娩第2期は、子宮口全開大から児の娩出までの期間である。 b 分娩第2期は、児の娩出後から胎盤娩出までの期間である。 c 分娩第2期でも分娩が停止することがある。 d 帝王切開術は分娩第2期には行わない。 e 経産婦。分娩第2期に1時間要した。正常分娩の経過である。 解答: b,d 【AI追記】 分娩第2期は「子宮口が全開大になってから、赤ちゃんが完全に外に出るまで」の期間です。この時期に赤ちゃんがなかなか降りてこず分娩が止まってしまうこともあり、赤ちゃんの状態が悪ければ急いで帝王切開や吸引分娩に切り替えることもあります。 a: 第2期は子宮口全開大から児娩出までの期間であり、この記述は正しい。 b: 児娩出後から胎盤娩出までは「第3期」であり、第2期と説明しているこの記述は誤り。 c: 第2期でも児が降りてこず分娩停止(遷延)が起こりうるため、この記述は正しい。 d: 第2期でも胎児の状態が悪ければ帝王切開を行うことがあるため、「行わない」とするこの記述は誤り。 e: 経産婦の第2期は短め(目安1.5時間以内)で、1時間は正常範囲内であるため、この記述は正しい。 --- 【成熟嚢胞性奇形腫は卵巣腫瘍茎捻転による急性腹症の原因となることがある。】 卵巣腫瘍(胚細胞腫瘍)の特徴はどれか。2 つ選べ。 (2023-38) a 成熟嚢胞性奇形腫は卵巣腫瘍茎捻転の原因となることがある。 b 成熟嚢胞性奇形腫が悪性転化することはない。 c 未熟奇形腫の好発年齢は 10~20 歳代である。 d 未熟奇形腫に対して妊孕性温存⼿術は考慮されない。 e 未熟奇形腫に対して化学療法は効果が乏しい。 解答: a,c 胚細胞腫瘍は若年卵巣腫瘍に多く、良性では急性腹症の原因、悪性では妊孕性温存が問題となる。 【AI追記】 成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢胞腫)は、卵巣の中に髪の毛や脂肪、歯などができる良性の腫瘍です。比較的重くてツルツルしているため、卵巣を支える根元がねじれる「茎捻転」を起こしやすく、ねじれると激しい痛みが起きて緊急手術が必要になります。 b: 成熟嚢胞性奇形腫はまれに(主に高齢者で)悪性転化することがあるため、「ない」とするこの記述は誤り。 c: 未熟奇形腫は若年者(10〜20歳代)に好発するため、この記述は正しい。 d: 未熟奇形腫は若年女性に多く、妊孕性温存手術が考慮されるため、「考慮されない」とするこの記述は誤り。 e: 未熟奇形腫を含む胚細胞腫瘍は化学療法がよく効くため、「効果が乏しい」とするこの記述は誤り。 28 歳の女性。突然の下腹部痛を訴え来院した。右付属器に鵞卵大の腫瘤を触知す る。単純 X 線写真で右骨盤内腔内に歯状の石灰化像を認める。 診断として正しいのはどれか。 (2022-50) a 流産 b 子宮筋腫 c 子宮外妊娠 d 骨盤内感染 e 卵巣腫瘍茎捻転 解答: e 28歳女性の突然の下腹痛をきたす疾患を想起する。 単純X線撮影で歯状の石灰化像を認めるのは皮様嚢胞腫であり、卵巣腫瘍の茎捻転による急性腹症と診断する。 【AI追記】 若い女性が突然激しい下腹部痛を起こした場合、「卵巣腫瘍の茎捻転」や「子宮外妊娠」をまず疑います。X線写真で「歯の石灰化」が見えれば成熟嚢胞性奇形腫だと診断でき、それがねじれたことによる痛みだとわかります。 a: 流産は妊娠が前提で性器出血が主体であり、X線の歯状石灰化とは結びつかない。 b: 子宮筋腫は突然の激痛より過多月経などが主体で、歯状の石灰化像は呈しない。 c: 子宮外妊娠も急性腹症の原因だが、歯状の石灰化像が決め手で奇形腫の捻転が最も合致する。 d: 骨盤内感染は発熱や帯下が主体で、歯状石灰化を伴う腫瘤の所見とは合わない。